読書感想文(高学年)
2021年10月26日 09時26分5年 M・H
「金色のキャベツ」
「金色のキャベツ」って何だろう。金色に光っているように見えるほど、美しいキャベツのことかな。ぼくは、この不思議な題名に吸いこまれていきました。
この本の主人公は、風香という名前の女の子です。風香は、塾にピアノに毎日大忙しです。テストを終えた風香を、母親が迎えに来た場面から始まります。風香のテストの結果は、どちらも九十点、すごいなと思います。でも、母親の言葉は、「あらあ、もう少しで百点だったのにね。」その後も母親の言葉に、「ざわりとささくれだつ」と風香の気持ちが表されています。この風香の心の声は、ぼくにも分かる気がします。風香の成績は良い結果が出ています。それでも風香のイライラは、おさえ切れないところまで来ていたのです。両親から愛されていることは、きっと分かっているのに、何かやりきれない思いがあったのでしょう。
夏休みに、キャベツを送ってくれた大好きな親せきのおじさんの村へ、まるで家出のように行った風香。母親の小言は、聞きたくないという思いがあったのだと思います。風香の行動力は、すごいなと思いました。そこで、目に飛びこんできたのが、一面キャベツの海です。今まで見たことがない景色を目の当たりにして、感動したことでしょう。そんな中、母親からの電話がかかりましたが、親せきのおじさんに母親を説得してもらいます。けい帯の電源まで切って、バッグにしまいこみ、キャベツ畑で働こうとする風香に、ぼくにはない、思い切りの良さと力強さを感じました。
ぼくの家は、みかん農家です。だからキャベツ作りのたいへんさは、少し分かるつもりです。キャベツを詰めたコンテナを高く積み上げるおじさんは、筋肉りゅうりゅう。キャベツを切り取る包丁は、使い込まれてすり減り小さくなっていました。その情景が目にうかんできます。キャベツ畑で働く人の姿に、みかん農家で働くぼくの家族の姿が、重なって見えました。ぼくは、自分の背たけほどある苗木を植えるための穴掘りを、手伝ったことがあります。穴掘りは、スコップは大きくて重たく、ぼくの体重ではなかなか土に刺さりません。何かを作り、育てるというのは、とても大変だなと思いました。
この物語のクライマックスは、キャベツの収かくのときです。朝三時、辺りはまだ夜のように暗く、ミルクのようにこい霧が立ち込めています。日の出前に風香は、「金色のキャベツ」を見たのです。キャベツだけでなく、目に映る全てのものを、太陽が金色に輝かせていました。ぼくの思っていたなぞが解け、この物語で一番に感動が伝わってきました。
自宅に帰った風香に、イライラした気持ちはありません。両親に作ってあげたコールスローに温かさを感じました。ぼくもうれしくなって、両親に同じ料理を作ってあげると母に「お店の物よりおいしいよ。」と言ってもらいました。ぼくの気持ちも金色になりました。
6年 N・K
「自分の個性」
ぼくは、「おいで、アラスカ!」という本を読みました。なぜこの本を選んだかというと、本の名前に興味がわいたからです。アラスカってなんのことだろうと思い、読んでみました。読むと、アラスカとは物語の中で重要な犬だということが分かりました。「おいで、アラスカ!」の主人公は十二才の少女パーケルと十三才の少年スフェンの二人です。新学期の二週間に起こる出来事を二人が交互に語っていく中で、二人をつなぐゴールデンレトリバー、アラスカが登場します。パーケルは八か月前に大好きだったアラスカを手放します。その新しい飼い主が、自分に意地悪をしたスフェンだと知ってくやしくなり、アラスカを取りもどそうと決心します。そしてスフェンの家にしのびこんで、そこから物語に変化が起きます。
ぼくが心に残ったところは二つあります。一つ目は、パーケルがスフェンの家に何度もしのびこむところです。ぼくは、大好きなものでも、そこまでして取りもどそうとはしないなと思います。パーケルはあきらめない人なんだなあと思いました。ぼくは、二年生のころに野球を始めました。二年生のころは、あまり野球が好きではありませんでした。なぜ二年生のころ野球が好きではなかったのかというと、あきらめかけていたからです。試合で打てなくても練習をせず、守備でミスをしてしまっても、ほったらかしにしていました。だけど、ぼくはまだ野球を続けています。それは、あきらめずに練習をするようになり、野球が好きになったからです。だから、あきらめないということがどれだけ大切かが、今なら分かります。その気持ちを忘れずがんばろうと思いました。
二つ目は。スフェンがてんかんという病気を自分の個性として認めたところです。物語の最初、スフェンは自分を火星人に例えて、周りの人とちがうことをネガティブに思っていました。しかし、物語が進みパーケルの言動やアラスカの存在によって、てんかんを自分の個性として認めることができました。ぼくも、最初のスフェンと同じように、自分のことを認められなかったり、後ろ向きなことを言ったりしていました。ぼくは身長が低いです。そして、そのことをネガティブに思っていました。それを自分の個性として認めることができていませんでした。
ぼくがこの本を読んで学んだことは、あきらめずにがんばり続けることと、自分のことを認めることの大切さです。特に、自分ではどうにもならないことを自分の個性として認め、ネガティブに考えず、ポジティブにとらえたいと思います。ぼくは、この本を読んで、初めて介助犬という存在を知りました。ぼくの家にも犬がいます。アラスカほど頭はよくないですが、介助犬とはちがう方法で元気をくれます。だから、ぼくも自分の個性を認め、自分のやり方でがんばっていきたいと思います。